コアすぎる、話

 

   


Vol-01 「愛の嵐」

 その18 最終回

 私は、このドラマの最終回が大好きである。もう何度見たかわからない。特にラストシーン、猛が差し出した手に、笑顔のひかるがふわりとからみつく姿がとても鮮やかである。
 この瞬間のために、この長いドラマが存在したといっても過言ではないだろう。


 猛が持参した現金300万円を目の前にして、大河原とひかるは「離婚する、しない」という不毛な話を続けていた。その最中、大河原は廊下に充満する煙に気が付く。

「ひかる、火事だ!」

 出火原因は、大河原の母である静子が祈祷中に倒してしまった灯明だった。

 ひかるは静子を助けるため、ひとりで奥の部屋へと進む。静子は炎の中、ずっと祈り続けている。逃げようとはしない。

 奥へと突き進んでいくひかるを見ながら、大河原は座卓の上に置かれた300万円を鞄に詰め込む。その間に、火はどんどん燃え広がっていく。
 鞄を握りしめた大河原は、そのすぐ後に消防団員に救出される。

 その頃、猛が大河原旅館まで駆けつけてきた。周りが止めるのも聞かず、ひかるがまだ中にいることを知った猛は、燃えさかる旅館の中に飛び込む。
 奥の部屋で倒れているひかると静子を見つけた猛は、ひかるを抱きかかえて玄関へと向かう。

 消防団員に抱きかかえられた静子の後を追うように、大事そうにひかるを抱えた猛が飛び出してくる。
 大河原は、この猛の様子を目の当たりにする。

 やけどを負った猛を、ひかるは見舞う。お互いの無事を静かに喜び合う2人の前に、大河原が現れる。そして猛に、こう告げる。

「ま、け、た。あんたにゃ負けましたよ」

 そしてひかるに離婚届を手渡し、お金を抱えて大河原は静かに去っていった。

 2週間後、猛の退院祝いの席に呼ばれた和尚は、猛とひかるが白部村を豊かにするためにと、フランスへワイン作りの勉強に旅立つという話を聞かされる。
 和尚は、「いつまでも、仲良うやるんぞ」と名残惜しげに声を掛ける。

 文彦は、金時計を猛に改めて手渡す。
「この金時計がふさわしい人間は、お前しかいないんだ」という言葉と共に。

 出発前、猛とひかるは旅立ちの決意を伝右衛門と絹の墓前に報告する。その帰り、あの思い出の木を2人で見上げる。
 そして仲良く手をつなぎ、寺を後にする2人だった。



 といったわけで、この「コアな、話」での「愛の嵐」話も、今回でひとまず終了させたいと思います。連載開始から半年以上。たくさんの方に読んで頂き、本当に感謝しています。
 16年以上という時の流れを超えて、いろいろな方とこのドラマについて語ることができました。ちまちまと全話ビデオに録画したものを後生大事に持ち続け、繰り返し見続けているなんて人、他にはいないと思っていました。なのに、こんなにこのドラマのことをご存じの方がおられたことは、驚き以外の何者でもありません。そして念願だったDVDも発売されました。あれもこれも、本当にうれしかったです。

 ここでの連載は終了しますが、「愛の嵐」というドラマに関するページを、感謝の意味を込めて必ず立ち上げたいと思っています。皆さんから寄せられた情報や思いなどを、何らかの形で反映させたいと考えています。今回の連載よりも一層ディープな内容になることは、間違いないと思います。いつになるかはお約束できませんが、気長にお待ち下さいね。

 私がこのドラマのことをずーっと好きでいることは、たぶん変わりがないと思います。ですから、語り足りない方、もっとまだまだ語りたいことがある方は、どうぞ気軽にメールや掲示板を利用してお寄せ下さい。

 次回からまた違うテーマで、「コアすぎる、話」を展開します。今後ともよろしく!

('03/02/03)