コアすぎる、話

 

   


Vol-01 「愛の嵐」

 その17 脇役たち 2

 前回に続いて、脇役たちの話である。今回は、戦後編。

◎朱美さんと友子さん
 朱美さんは、猛のスパイとして銀馬車(ローズハウス)で働くホステスである。ローズハウスと店名を変えてからは、一躍ホステスの中でトップとなる。彼女の働きで、猛の元に銀馬車が落ち、大河原とやくざとの関係が明らかとなるのである。
 とても明るく朗らかだが、戦争で両親を亡くした天涯孤独の身の上である。同じような境遇の章次さんと恋に落ち、章次さんが大けがをして東京に戻ることになったとき、彼女は彼についていった。彼女のそんな決意を、猛は優しく受け入れるのである。
 友子さんは、三枝家の総領息子である文彦の妻となる人である。カストリ雑誌にさえ受け入れられず、東京で荒れた生活を送る文彦を、けなげに支える。が、もともとは「踊り子さん」だったこともあり、結構したたかな一面も見せる。一度だけ大河原と浮気したりする。だが彼女も、文彦と共に穏やかに変化していく。

◎佃組の組長さん
 大河原が利用してた、やくざの組長さん。章次さんに重傷を負わせたのも、彼の子分である。彼らの無茶が原因で、大河原は警察に連行されるという大きな墓穴を掘る。それがきっかけで、ひかるは流産してしまうのだ。
 とにかくものすごくインパクトのある組長さんである。個人的に、私はこのおっさんが大好きである。もう、誰よりもぴったりの役柄である。この人が出てくると私は身を乗り出してしまう。

◎猛が情報収集のために使っていた人
 まずは、新聞記者の三浦さんである。猛は彼をうまく使い、新聞に大河原が佃組と癒着していると書かせる。その結果、彼も佃組に襲われそうになるのだが、その13「側近たち」で登場した平野さんが助ける。
 もう1人は、名前がない「探偵さん」である。いつもトレンチコートを着て、影のように大河原の周辺を調査している。彼の報酬は、猛の財布から直接渡される。「いくらくらいくれるかな〜」という感じで猛の財布をのぞき込んでいる様子が、なんかとてもおちゃめである。
 そして、進駐軍。猛は事業を広げるために、進駐軍をうまく利用していた。これが結果的には、大河原旅館衰退に拍車をかける原因になる。

◎大河原が情報収集のために使っていた人
 商工課長の西野さんが、その1人である。大河原は事業遂行のために、この西野さんにかなり気を遣っていた。接待もしていたし、秀子さんをあてがったりもしていた。だけど、大河原が猛に追いつめられるようになってからは、彼は登場しなくなる。見事なほどである。
 山梨第三銀行の清水さんも、一時期は強力な後ろ盾だった。ただ、大河原が手に入れた土地の真ん前に猛が進駐軍のために養豚場を建設するということが発覚したとき、銀行も大河原を見放してしまう。

◎天光さま
 ドラマ終盤に一度だけ出てくる、拝み屋さんである。「三枝伝右衛門、去れー!去れー!」と叫ぶこのおばあちゃん、5分も出演していないのに、妙に存在感があった。
 大河原にとって悪いことが続くのは、伝右衛門の亡霊がひかるについてきたせいだと真剣に考えた静子さんが、この人を呼んでお払いしてもらうのである。
 その後静子さんは、どんどんこの宗教のようなものにのめりこんでいく。絹の通夜の席でもその祈りが展開され、ひかるは激しく傷つき、猛は「もう大河原に帰らないで」と憤る。
 そして最終的に、大河原旅館はとんでもない結末に陥るのである。

('03/01/18)