コアすぎる、話

 

   


Vol-01 「愛の嵐」

 その16 脇役たち 1

 その13「側近たち」で書いた脇役以外にも、このドラマには個性豊かな脇役たちが多数登場する。彼らの存在も、このドラマが盛り上がった要因のひとつである。
 今回は、そんな印象的な脇役たちにスポットを当ててみる。まずは子供時代・思春期時代編から。

◎三枝家女中トリオ(おとら、おこま、うめ)
 三枝家がまだ大地主だった戦前、毎回画面に登場したトリオである。
 おとらさんとおこまさんは、働き者の奉公人。でもやはり年頃の女性なので、お化粧品などには目がない。銀次さんが売りに来る化粧水にも、並々ならぬ興味を示したりする。そして、噂話も大好きである。彼女たちの会話から、絹さんはご主人の浮気を知るのである。
 うめばあやさんは、何があってもとにかく文彦ぼっちゃまと絹さんの味方である。だから、文彦の地位や三枝家を引っかき回す猛の存在を忌み嫌い、冷たくあたる。
 でも、おこまの縁談を取りまとめて嫁入りさせるという、とても世話好きな一面も持っている、気のいいばあちゃんでもある。

◎銀次さん
 三枝家に出入りしている小間物屋。横浜に人脈を持ち、女衒稼業もしている。猛の身元を割り出したのも、猛が人買に売られそうになるのを最初に発見するのも、この銀次さんである。
 戦時中は満州に渡ったりしたようだが、機会あるごとに三枝家に顔を出してご機嫌伺いをしていた。頼まれごとには機敏に動いてくれていた。
 最後は北海道に行ってしまったのだが、どうしているのかなあ。

◎琴子さん
 ドラマの初め頃に登場した、伝右衛門の愛人である。
 横浜一の売れっ子芸者で、伝右衛門にひたむきな愛を寄せる。伝右衛門にとっても横浜での琴子さんとの逢瀬は、大地主としてのプレッシャーから解放される唯一のひとときだったのである。
 だが、内緒で横浜にやってきたひかると猛を連れて、彼女は三枝家の敷居をまたぐことになる。このことが、三枝家に嵐を巻き起こす。
 そして琴子さんは、静かに身を引く。伝右衛門の思い出を携えて生きていくと告げて。

◎吾一と彼の母親
 小作人仲間の中で、猛が一番仲良くなるのが吾一である。灌漑工事での彼の働きを認め、猛へのサポートを惜しまない。猛が灌漑工事の頭領をやめさせられそうになった時、大けがをした状態のまま駆けつけ、猛の窮地を救う。また、夜這いをしようと誘ってくる遊び仲間でもある。
 吾一の母も猛に気を遣い、食べ物の差し入れをしたりする。母親がいない猛は、吾一の母に自分の母親像を重ね合わせる。だが彼女は亡くなる。
 悲しむ猛に、ひかるはこう励ます。「(ひかると猛は)ずっとずっと、いっしょだからね」と。

◎イネとはな
 色町に売られる寸前で猛とひかるに助けられたのが、はなである。彼女はその後三枝家の奉公人となり、戦争が終わった後も三枝家に残る唯一の人間である。猛への思慕はずっと持ち続けているが、猛とひかるの幸せを祈るいたいけな女性でもある。
 イネは、灌漑工事の世話係として働くことになるのだが、猛を巡ってはなとけんかが絶えない。また文彦に夜這いをされるのだが、相手は猛だと言って自分の思いを通そうとする、したたかさも持ち合わせている。

◎信治さん
 ひかるのピアノの先生を務める、文彦の友人。ひかるに思いをよせ、絹に対して、「ひかるちゃんと、姉妹のようですよ」などと歯の浮くようなおせじを並べる。  ひかると2人でピクニックに出かけたが雨に遭い、雨宿りした番小屋でひかるを襲う。猛が駆けつけてきて事なきを得るのだが、それ以降彼はぷっつりと姿を見せなくなる。

('03/01/04)