コアすぎる、話

 

   


Vol-01 「愛の嵐」

 その11 大河原一家

 「新・愛の嵐」、先週やっと終了。昔の「愛の嵐」が大好きだった私にとっては、衝撃的で納得がいかず、だんだん怒りがこみあげてくるようなエンディングだった。だからもう、新作との比較はやめる(`´メ)
 今回からは新作にとらわれず、あくまで16年前の「愛の嵐」にこだわっていく。

 主人公のひかるちゃんが、大河原勇作という実業家と意に添わない結婚をするのは、既に述べた。今回はその嫁ぎ先である、大河原一家にスポットをあてる。

 この一家は、大河原旅館という一流割烹旅館を経営している。だけど猛の妨害などいろいろな事情で、いい食材がなかなか入手できなくなる。経営難を打開するために、友子さん(文彦さんの内縁の妻)がストリップを披露したりして客寄せを計るのだが、食中毒事件を起こしてしまう。大河原の資金繰りも悪化して、次第に閑古鳥が鳴くようになる。

◎大河原政之助(勇作の父)
 もともとは三枝家の小作の出身で、大河原の入り婿である。そのせいで、家族の中ではいつも小さくなっている。だけどこの家族の中で、一貫して普通のおやじさんのキャラを貫いていた。
 彼の仕事は、旅館の玄関掃除や水まき、碁、三枝家へのご機嫌伺いである。ひかるちゃんをずっとかばい続け、応援し続けた人でもある。
「申し分のない嫁じゃった。死に水をとってほしかった」と言いながら、息子との離婚を後押しする。猛と秀子の結婚にも、ひかるとともに賛成し後押しもする。
 非力ではあったが、ひかるとの2ショットは視聴者にひとときの安心感を与えていた。

◎大河原静子(勇作の母)
 
小さな旅館だった大河原旅館を甲府きっての旅館に成長させた、陰の功労者でもある。息子が一番大事で、夫には目もくれない。でも夫が三枝家にご機嫌伺いに行ったり、ひかるをかばったりするとひがむ。
「いつまでも小作人根性が抜けないんだから! そんなこったからひかるに馬鹿にされるんだよっ!」

 勇作との挙式前日に、ひかるが猛と駆け落ち騒動を起こしたことを知ってから、何かにつけて嫁いびりを展開する。結婚以来8年、ひかると勇作の間に子どもが出来ないことも、原因の一つだった。

 ある日、山へきのこを取りに行ったひかるが台風に巻き込まれ、猛は彼女を探しに行く。だが山道が土砂に埋もれて身動きが取れなくなり、一晩2人は番小屋で過ごす。
 その約2ヶ月後、ひかるが妊娠する。番小屋では何もなかったのだが、静子はその子どもが猛の子どもではないかと疑う。思い詰めた静子は、ひかるに流産させようと画策し、とうとう医者に子どもを中絶させるよう手配したりする。

 勇作が体をこわして入院したり、秀子と猛が結婚したりと、大河原に次々と災難が降りかかる。静子はこの災難が
「三枝伝右衛門(ひかるの父)の悪霊のせいだ」と思いこみ、妙な宗教にのめり込む。白装束に身を包み、神棚の前でたいこをたたき、一心不乱に「悪霊退散」と祈る。

 それは次第にエスカレートし、絹の葬儀の席でも展開される。最後の頃には座って祈るだけではなく、たいこをたたきながら踊り始める。その踊りによって、灯明が倒れ旅館は火事で丸焼け、勇作とひかるの離婚が決定的になった。

 勢いよくたいこをたたくものだから、たいこに書かれたお経の文字は消えかかっている。静子さんが壊れていく様子は、本当にリアルだった。名演技だった。

◎大河原秀子(勇作の妹)
 
戦前は東京で過ごすが、戦後は勇作が開店させたグランドキャバレー
「銀馬車(後にローズハウスと改称)」のママとなり、切り盛りしていく。意に添わない結婚をしたひかるを、最初は軽蔑している。

 だが彼女は、猛に激しく恋をする。後に彼女はひかるに
「あなたへのあてつけみたいなものが、出発点だった」と語る。猛が大河原を破滅させるための手段として自分に近づき、結婚したということも理解しているが、それでも秀子は猛に献身的に尽くす。そんな生活の中で、秀子は次第にひかるを理解し、不思議な絆で結ばれていく。

 酔っぱらった猛が秀子のことを「ひかる・・・」と呼びかけたことがきっかけで、秀子は離婚を決意し猛に別れを告げる。実家に戻った秀子は、ひかるに勇作と離婚して、猛と再婚しろとけしかける。

 離婚した後の秀子さんは、とても毅然としていた。
 店を担保に金が借りたいという勇作に対し、「ひかるさんと離婚すれば担保にしてもいい」ときっぱりと言い放つ。勇作が怒ると
「猛がほしいのは、ひかるさんだけなんだから! ひかるさんだってね・・・猛だけなんだから!」と叫ぶ。
 勇作役の長塚京三さん、秀子役の芦川よしみさん。この2人のこのシーンは、それぞれの悲哀がこもった、とても印象的なシーンである。

('02/10/01)