コアすぎる、話

 

   


Vol-01 「愛の嵐」

 その3 ひー流 「比較愛嵐論・子供時代編」

 先週で、ひかると猛・子供時代編が終了し、今週からは子供達の配役も変わり、思春期編がスタートしている。
 2週間、昔のビデオと今回のドラマを見続けて、いろいろなことを感じた。

 昔と今回の「愛の嵐」は、基本的な設定はそのままである。ドラマの企画者も同じである。脚本家も16年前に参加されていた人が、今回もお一人だけだが参加されている。だけど、細かいエピソードが違う。

 まず、子供達の年齢が、昔の方が幼い。昔編は、ひかる5歳、猛8歳という設定だったけれど、今回はひかる7歳、猛9歳である。特にひかるは、昔の方が格段に幼い印象である。
 気が小さくて、どうしようもなく嫉妬深い文彦と、わがままだけれど、曲がったことは大嫌いなひかるという兄妹の性格は、今回もそのままである。だけど猛に関しては、今回の方がワイルドに描かれていた。猛が生肉をかじるシーンには、ちょっとびっくりした。

 猛が山で拾ってくる動物も、昔は小鳥で、今回はうさぎである。
 猛が人買いに売られそうになったとき、最初にそれを発見するのは、昔は女衒(ぜげん)の銀次さんで、今回はひかるである。
 今回、絹が家を飛び出した時、猛が寺まで迎えに来たが、昔はこんなシーンはなかった。
 また、文彦が今回水行をしたのだが、昔はなかった。そのかわり、文彦と猛の剣道試合と成績競争が盛り込まれていた。

 昔編での大きな小道具のひとつに、伝右衛門(今回は伝衛門だが)の木刀があった。これをめぐって、猛と文彦が学校の成績を競い合い、最終的に猛が手に入れるというエピソードがあったのだ。自分の成績よりよかったことを知った文彦が、猛の通知票を風呂の焚き口で燃やしてしまうという、文彦らしいエピソードもあった。この木刀は、その後も節目節目に登場した、猛必須のアイテムだった。
 今回はこの木刀は登場しなかった。そのかわりのアイテムが、たぶん海で拾った貝なのだろう。

 だけど一番違うと感じたのは、「まったり感」である。
今回、渡辺裕之さんと、かとうかずこさんが、伝衛門と絹役を担当しておられるが、昔は中尾彬さんと江波杏子さんが演じておられた。
 今回の方が若々しいのだが、「現代から見た昭和初期の、地主夫婦」という感じがする。とっつきやすくフランクな大地主様というイメージである。
 これに対し、中尾さんと江波さんは、ある種貫禄があった。どっしりとして鷹揚な大地主様というイメージだった。伝右衛門が羽織袴にシルクハットをかぶっているシーンがあるのだが、今の伝衛門には考えられない装いである。同じ時代を描いているドラマなのに。
 昔編は「ドラマ」で、今回は、「ドラマのドラマ」なのかもしれない。

 琴子というお妾(めかけ)さんを、伝衛門は横浜に住まわせているのだが、渡辺さんでは何かが足りないように思った。「こういうのは男の甲斐性だ」と言われた頃の昔ながらの雰囲気は、やはり中尾さんの方があったように思う。
 かとうさんと江波さんの「絹」も、やはり何かが違う。役者が違うのだから当然なのだが、時代感が違うという印象がある。

 リメーク版とはいえ、違うドラマだという認識を持った方がいいのかもしれない。でもこれからも、比較していくけど。

 今週から思春期編。遊び友達だったひかると猛が、恋心をつのらせていく。文彦の放蕩ぶりも、見物である。


('02/07/16)