めざせ!ハンドレッドセラーエッセイスト

 

 

   

チョキドリームズ向けコラム「教育を考える」

テーマ 「いじめ・生きるということ」

18.感謝を込めて(2004年6月執筆)

チョキドリームズさんからコラム連載のお話を頂いたのは、昨年10月のことだった。私にとって初めてのコラム連載依頼だったのだが、提示されたテーマ「いじめ、生きるということ・子供たちの今」には、正直面食らった。
未婚で子供もいないのに、どうして私なのか。他に適任者がたくさんおられるのではなのか。最初に思ったことがこれだった。
親でもない私が書いた子供のことなんて、説得力などないのではないか。ありがたいお話だったけれど、依頼をお受けするかどうかかなり悩んだ。

私は一人っ子だし、身内は私より年上がほとんど。近所にも子供が少ないので、私が幼稚園や保育所、学校などへ行く機会は皆無だ。そんな私の耳に入ってくるニュースといえば、子供をめぐる痛ましい事件や事故、その子供を抱える親の混乱ぶり。大人になりきれない大人の増殖ぶり。

悩んだ末に連載をお受けすることに決めたのは、親でないからこそ見える何かがきっとあるはずだと思ったからだった。子供を「子供」と見るのではなく、大人も子供も同じ人間なのだという視点から書くコラムがあってもいいはずだ。だって子供を守り鍛え育てるのは、子供も大人も含めた人間なんだもの。

そんな思いを胸にスタートしたこのコラムも、今回で最終回。あまりにも壮大なテーマを前に、何をどう綴っていいのか悩んだことも多々あったけれど、私が受けていた親からの愛や、友人知人からの思いやりがあったからこそ、今こうやって生きているんだなということを改めて気づかされた日々だった。
子供に生きる力を与えるのは人間で、子供の生きる力を失わせるのも、また人間なのだ。

長い間お読み下さいまして、本当にありがとうございました。またこのような機会を与えて下さったチョキドリームズさんにも感謝しております。またいつか、どこかでお会いできますように。

2004年6月 小学6年生の殺人事件が起きた月に。