めざせ!ハンドレッドセラーエッセイスト

 

 

   

チョキドリームズ向けコラム「教育を考える」

テーマ 「いじめ・生きるということ」

10.自分の目を信じたい(2004年2月執筆)

前回のコラム「子供の『出力物』」に登場した、友人とその子供2人。3人は我が家に一泊し、翌日は大阪市内に出かける予定を立てていた。私も子守役として、強制連行されてしまった。
彼等のお目当ては、大阪・梅田駅前で開催されていた「サンダーバード展」である。数十年前に放送されていた「サンダーバード」、最近NHKで再放送されていることもあって、子供たちにも結構人気があるらしい。だが実際に楽しんでいたのは、子供を連れてきたはずの大人であった。でも、間違った楽しみ方をしている大人が、何と多いか。

会場入口や内部には、「写真撮影禁止」と表示されていた。だけど、それを守っている大人は少なかった。彼等はカメラ付き携帯で、展示物を一心不乱に撮影していた。展示物をのんびり見ている私に「(撮影するのに邪魔だから)どいて下さい」と言った人が何人いたか。多勢に無勢、注意してもきりがないから係員は何も言わないんだろうなと思ったりした。

デジタル技術の進歩で、写真撮影がとても身近で簡単になった。それと共に、自分の目で確認する前にカメラを構えてしまう人がとても多くなったような気がする。「とりあえず、撮っておこう」という、軽い感覚。それも時代なんだろうけれど、カメラの目に頼らず自分の目でしっかりと見つめるということが、本当はとても大切なんじゃないかなぁ。撮影禁止の場所でカメラを構える人たちは、いったい何を残そうとしているのだろう。
決まり事を守れない大人の多さにも困ったものだけれど、自分の目を信じられない大人も増えているのかな。

それにひきかえ、つぶらな瞳で一生懸命展示物を見つめている友人の子供たち。この日・この瞬間が彼等の記憶の中に残るかどうかはわからないけれど、2人は自分の目を確かに信じている。

子供は大人に、とても大切なことを教えてくれる。