「テレショップな日々」 バックナンバー

 

 

   

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ひーコラム  ☆★テレショップな日々★☆
                          発行日 2003/09/01
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Vol.003 「ジャパネットたかた」考


 西日本の地盤沈下が叫ばれて久しい。会社の本社機能はどんどん東京に流れ、景気回復の兆しも全く見えてこない。
 けれど、テレショップ業界に関しては例外のようだ。

 もちろん、テレショップ会社の本社機能が一番多いのは東京である。だけど、今話題となっている会社は、なぜか西日本に集中しているのである。

 特に多いのが九州地方で、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのジャパネットたかたは長崎県である。
 北さんでおなじみのトーカ堂、芸能人大挙出演で話題の「緑効青汁」のアサヒ緑健、「にがーい、もう一杯!」の青汁であまりにも有名なキューサイ、大滝秀治さんの渋いナレーションでおなじみの「香醋」のやずや、この4社は全て福岡県に本社がある。

 九州以外にも、春日女史の「いちまん、にせんえん、でーっす!」の絶叫で有名になった「青玉V」のクロレラサプライは島根県、商品紹介VTRを撮りに中国まで行ってしまった「ローヤルゼリーゴールド600」の八幡物産は鳥取県である。川中美幸さんのCMで有名になった「青粒(社名も青粒)」は兵庫県である。
 ついでに、昼間のテレショップ帝王「日本直販」の本社は、大阪である。

 これらの会社の中で、社長もしくは幹部クラスが自らテレビに出演して元気ぶりをアピールしている会社は、ジャパネットたかた・トーカ堂・八幡物産の3社であろう。

 八幡物産は、典型的な同族企業と思われる会社である。テレビに出演している八幡さんは取締役。社長は彼のお父さん(と思われる)で、1977年に創業されたとのことである。
 ローヤルゼリー紹介(30分)版で、一度だけ社長さんをお見かけしたことがある。朗々とお話ししておられる間、八幡取締役は傍らで小さくなっていた。

 八幡物産がテレショップを始めたのは1987年頃。でも大ブレークしたのは今から5〜6年ほど前のことではなかっただろうか。
 ブレークのきっかけは、長門裕之・南田洋子夫妻が「八幡のローヤルゼリー、私たちもお勧めします」と言いながら出演されたことからだったと思う。

 一時期はローヤルゼリーとクロレラを同時に紹介しておられたが、そこに割って入ってきたのがクロレラサプライの「青玉V」。
 どちらのクロレラが最終的に勝利したのかは知らないけれど、一時期かなり価格競争していた。

 トーカ堂は今でこそ「トーカ堂テレショップスペシャル」という冠番組を製作しているけど、以前はテレショップ製作会社が製作した番組に北さんが1品だけ持って登場していた。
 そのころの看板商品が、「中国・天津製の段通」だったのである。

 芸能人司会者の決まり文句は「段通といえば北さん、北さんといえば段通、ですね!」であった。

 現地に北さんが直接行って買い付けるというスタイルは、当時も今も変わらない。中国の段通工場の前で「歓迎・北社長」という横断幕を持った現地の方と一緒に撮影したフィルムが、いつも流されていた。

 だけどいつ頃からか、北さんがこの段通を紹介することはなくなった。
 他のテレショップで北さん紹介の物よりも安価な段通や、3畳用「ずばり」10,000円のウィルトン織りカーペットが出現したせいもあったと思う。

 八幡物産やトーカ堂とは一線を画しているのが、ジャパネットたかたである。
 この会社の急成長ぶりは、半端ではない。時代の寵児として、高田社長はテレビや雑誌にもたびたび登場されている。

 私がここのテレショップを初めて見たのは、まだ「たかた」と言っていた頃じゃないだろうか(ジャパネットたかたという社名になったのは、1999年のことなのだ)。

 最初は高田社長1人で仕切っておられた。当時はもう少し冷静で、もっと木訥だった。
 今のように突然大声を出したり、声に抑揚をつけたりするというテクニックも使われていなかった。

 時が経ち、いつからか塚本さんというブレーンが社長と一緒にテレビ出演されるようになった。それとともに高田社長はどんどんテレビ出演に慣れ、うまくまとめるようになられたのだ。

 テレショップ的には成功者だし、商売上手だとも思う。でもなぜか、私はこの社長さんだけは好きになれなかったのだ。
 好きになれない理由が、長い間自分でもわからなかった。それが最近、ようやく把握できたのだ。

 ジャパネットたかたのテレショップは、人より会社が見えてしまう。
 高田社長も塚本さんも会社の一部で、そのへんにいる普通のセールスマンがセールスをしているように私には見えるのだ。
 そして高田社長は、会社の未来をしっかりと見据えている。だから、塚本さんが登場したのだ。

 会社が存続するために、それはあたりまえの処置だと思う。だけどテレショップ好きな私にとっては、あまりにも会社的な考えで割り切りすぎているような気がして、ちょっとつらいものがあるのだ。

 トーカ堂は、北さんしかテレビに出演していない。
 木訥そうだが北さんは、実はかなりのワンマン社長だと思う。北さんがもしいなくなれば、社長が亡くなったとたん倒産したかつての城南電機のように、トーカ堂テレショップはきっと消滅してしまうだろう。

 八幡物産は最近八幡取締役以外の人がたまに出演するようになったが、それでもメイン商品は、取締役が仕切らなければ物足らない。
 取締役の後継者は、まだまだ育っていないようだ。

 テレショップ的には将来性に不安が残る、トーカ堂や八幡物産。
 でもテレショップ視聴を楽しんでいる私は、会社として順調なジャパネットたかたより、北さんや八幡さんの「べたな世界」の方が好きである。



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■ 今回の「テレショップなひとこと」
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「この掃除機は、ニューヨークでデザインされたんですよ!」

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<「ひとこと」の解説>

主にプライム系テレショップで見かける、「シャークコードレスクリーナー」を紹介する時に使われるひとことである。

このセリフをのたまうのは、藤岡さん。一時期、スチームクリーナーをがんがんと売り込んでいた男性である。
そんなに流ちょうなセールストークをされる方ではないが、まじめそうな印象を受ける。最近、少し茶髪にされたようで。

で、このひとことを聞くたびに、私はテレビの前でついつっこみを入れてしまう。
「それが、どないしてんな」と。

デザインされたのはニューヨークでも、誰がデザインしたかはわからない。もしかしたら、たまたまニューヨーク出張中の日本人かもしれないのになぁ。

でもこの言葉を聞くと、「デザインしたのはアメリカ人なのね・・・」とうっとりする視聴者もいるのかもしれない。
「ニューヨーク」って、いまだ魔力を持った地名なんだ。